PCA公益法人会計シリーズワンポイント
日付:2016年03月03日
Point 貸借対照表「Ⅲ正味財産の部」の表記
「公益法人会計基準」の運用指針(平成20年4月/平成21年10月改正 内閣府公益認定等委員会)では、貸借対照表の「正味財産の部」は概ね以下の様式によるものとされています。
指定正味財産の内訳科目やA~Dの充当額に集計するための設定を「前準備」ー「正味財産・基金科目の設定」にて行います。
初期設定の科目(主科目コードの桁数は3桁・初期中小科目あり)を使用した設定例を以下に示しますので、科目を追加・変更された場合の参考にしてください。
1.指定正味財産の内訳科目へ集計させるための設定
◆操作方法◆
- 「前準備」ー「正味財産・基金科目の設定」にて、転記先科目を設定します。
正味財産増減計算書[指定正味財産増減の部]の[661:受取補助金等]の中科目[681:受取国庫補助金]の転記先科目として、貸借対照表[正味財産の部]指定正味財産の中科目[411:国庫補助金]を設定します。
- 以下の仕訳を入力します。
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額 111 現金 1,000,000 661 受取補助金等
681 受取国庫補助金1,000,000 - 正味財産増減計算書と貸借対照表は以下の通り出力されます。
前ページ②で入力する仕訳は、[借方:現金/貸方:受取補助金等ー受取国庫補助金]という仕訳のみで、[411:国庫補助金]は仕訳として直接入力しません。
しかし、①で転記先科目として[411:国庫補助金]を設定することにより、貸借対照表の[正味財産の部]指定正味財産の中科目[国庫補助金]が出力されるようになります。
2.A~Dへ集計させるための設定
◆操作方法◆
- 「前準備」ー「補助科目名・期首残高」にて、[指定正味財産]及び[一般正味財産]に区分するための補助科目を設定します。
- 「前準備」ー「正味財産・基金科目の設定」にて、①で設定した各補助科目に対して転記先科目を設定します。
«基本財産[建物]の設定例»
[192:建物]の補助科目[311:建物(指定)]の転記先科目に[493:(うち基本)指定]、同じく補助科目[313:建物(一般)]の転記先科目に[497:(うち基本)一般]を設定します。
例えば、[192:建物]の補助科目[311:建物(指定)]を
・借方に仕訳入力すればAの増加
・貸方に仕訳入力すればAの減少
となります。
[493:(うち基本)指定]は仕訳として直接入力しません。転記先科目に設定することで増減させます。
«特定資産[減価償却引当資産]の設定例»
[203:減価償却引当資産]の補助科目[361:減価資産(指定)]の転記先科目に[495:(うち特定)指定]、同じく補助科目[363:減価資産(一般)]の転記先科目に[499:(うち特定)一般]を設定します。
例えば、[203:減価償却引当資産]の補助科目[361:減価資産(指定)]を
・借方に仕訳入力すればBの増加
・貸方に仕訳入力すればBの減少となります。
[495:(うち特定)指定]は仕訳として直接入力しません。転記先科目に設定することで増減させます。
科目と「うち書き」の対応は以下の通りです。
基本財産 | 指定正味財産 | 493:(うち基本)指定 | Aへ集計 |
一般正味財産 | 497:(うち基本)一般 | Cへ集計 | |
特定資産 | 指定正味財産 | 495:(うち特定)指定 | Bへ集計 |
一般正味財産 | 499:(うち特定)一般 | Dへ集計 |